2016/11/28
金利の種類は「変動金利」と「固定金利」に分かれています。
どちらの金利にもメリットとデメリットがあり、何の借り入れをするかや借り主の性格によって向いている金利は変わります。
目次
リスクはあるけれど金利が低めの変動金利
変動金利とは、短期金利の動きに合わせ、半年ごとに利率が見直されるタイプの金利です。
10年ほどの短期間でローンを組むときに適しています。
借入時の金利で固定される固定金利と比較すると金利が低いことから、最近は変動金利を選ぶ人も増えています。
なぜ変動金利のほうが金利が低くなるのかというと、1年未満の短い資金貸借に適用される「短期金利」に連動しているからです。
短期金利とは、取引期間が1年より短いもののことを指し、流動性が高く、利率の変動が激しいのが特徴です。
短期金利は半年に一度金利が見直されますが、毎月返済する額は5年に1度見直しするのが一般的です。
ただし、新しい返済額はこれまでの返済額の1.25倍までというルールがあるので、そこまで大きく上昇することはないと考えられます。
変動金利を選ぶもう一つのメリットは、金利が下がった場合には返済額が少なくなることです。
市場の動向によっては、予定したいたよりも少ない返済総額で済むかもしれません。
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変動金利のデメリット
逆にデメリットもあります。
まずは1.25倍ルールがあるとはいえ、金利が上がるリスクもあることです。
変動金利型を選ぶ場合は、金利が上がる可能性も考慮して返済計画を立てましょう。
そして注意しておきたいのが、5年ルールによって金利が上がったとしても月々の返済額は5年間代わりませんが、金利の見直しは行われていることです。
金利が上昇した場合は返済金の中から利息に回るお金が大きくなり、元本が減りにくくなります。
元本の返済が遅くなると、結果的に返済総額が大きくなってしまうのです。
さらに、5年ルールによって未払い利息が出てくる可能性もあります。
未払利息とは、支払えていない利息が積み上がっていくことで、急激に金利が上昇して毎月の返済額よりも利息のほうが大きくなった場合に発生します。
未払い利息が発生すると、住宅ローン完済後に一括で返済するか、未払い利息が発生した翌月に分割して精算するか、住宅ローンの返済をストップして未払い利息を精算するか、などの手段を取らなければならなくなります。
また、金利によって返済総額が変わるので、返済計画が立てにくいこともデメリットです。
収入に余裕があって金利が上昇しても対応できる人や、柔軟な返済計画を立てられる人が、変動金利に向いていると考えられます。
一定の金利で返済できる固定金利
変動金利と違い、金利が一定なのが「固定金利」です。
固定金利の中でも、一定の期間を経たら選び直す「固定期間選択」と、ずっと固定金利が続く「全期間固定」に分かれます。
期間が決まっている固定期間選択型
固定期間選択型は、3年、5年、10年など一定期間の固定金利の期間を経たあと、改めて変動金利や固定金利などを選び直すことができる金利です。
同じ商品でも固定金利の期間の年数によって当初期間の金利やその後の金利が違ってきます。
社会情勢や金利の変化によって返済額が変わるため、柔軟な返済計画を立てる必要があります。
固定期間選択型を選ぶメリットは、返済期間中ずっと固定である全期間固定型に比べて、低い金利に抑えられることです。
その代わりに、借り入れ時点では最終的な返済総額がわからない、固定金利終了後には金利が上る可能性が高いなどのデメリットもあります。
安定した返済を行える全期間固定
全期間固定金利型は返済が始まってから完済するまでの全期間、ずっと金利が変わらないタイプです。
金利が動かないので、借り入れをした時点で総返済額が確定します。
代表的な全期間固定型ローンには住宅ローンの「フラット35」があります。
全間固定金利で借りるメリットは、総返済額が決まっているのでライフプランを立てやすくなることです。
安定した返済を行いたい人におすすめですが、変動金利や期間選択型固定金利に比べて金利が高くなってしまうというデメリットもあります。
返済期間が長く、借入額が大きくなるほど全期間固定金利が適しています。
適切な金利を選ぼう
変動金利は金利が上昇すると返済総額が高くなるリスクがある代わり、比較的安めの金利で借り入れできます。
八十二銀行の場合、2017年4月の金利は年0.925%で、固定金利選択型を選ぶと3年なら1.00%、10年なら1.50%、15年なら1.65%です。
金利だけで考えると変動金利を選んだほうが返済額を安く抑えられることになります。
市場金利のチェックが苦にならないなら変動金利を選んでみても良いかもしれません。
逆に固定金利は変動金利よりも金利が高めですが、金利が一定なので返済計画が立てやすくなります。
短期間の借り入れで、住宅ローンなど長期の借り入れかをする場合には固定金利がおすすめです。
ぜひ適切な金利タイプを選んで、負担なく返済していきましょう。